D300s は今の時代のデジカメとしては大変息が長く、7年も仕事カメラとして働いてくれた。後継機がなかなか出なかったということもあるが、特にトラブルもなく、最高のパフォーマンスを発揮してくれた。
しかし、シャッターカウントもメーカー公表の耐久回数に近づき、いささか不安になってきた。
丁度そこにD500の発表。グッドタイミングである。やはり望遠系、マクロ系に有利なDXフォーマットのフラグシップが、私のような仕事には必須だ。
D300sからD500への進化は、やはりフォーカシングと高感度特性があげられる。通常の術創撮影ではあまり恩恵はないが、野鳥や暗室で行われる眼科検査の記録ではかなりの有意差を感じた。

ISO 3200。夜室内で動き回るブンチョウも、高感度で1/500のシャッターが切れるのでブレずに撮影できる。

 ISO 1600。

 ISO 51200。拡大するとノイジーだが、学術用途や、記録写真としては十分に使える画質である。

天井のLED電灯だけの照明でも的確なホワイトバランスになるAWBにも進化を感じた。

歴代Nikonフラグシップらしく、自然な血液色の再現性も極めて良好。

スリット検査。ISO 51200。
被写界深度を稼ぐためにF16までは絞りたい。しかし、ほぼ等倍マクロではブレが発生するため、撮影が極めて困難であった。記録写真としてはISO 51200までは許せる範囲なので、D500になってからは暗室でF16、1/200sの条件が躊躇なく使える。

スリット検査

フルオレセイン染色検査
コバルトフィルターの青、フルオレセイン蛍光発光の緑とも、写りに問題はない。

眼底検査
自作超高演色性白色LED照明装置をレンズ先端に装着して手持ち撮影。ここでも血液色の再現性が重要となる。今までの白色LEDは青と黄色による疑似白色なので、赤の表現が乏しかった。
今回制作したものはRa95のLEDモジュールを使用。

月面。300㎜F2.8に2倍テレコン装着。高速シャッターが切れるので、手持ちでもブレずに撮影可能。

D500+328+2xテレコン。